突然、視力を失った視覚障害者が、仕事や家族のことを考え「深い海の底にいるようだった」という苦悩のあと、「見えない世界だからこそわかる人の優しさ」を実感し、その温もりを伝え続けている人の存在を知りました。長らく病気と対峙している私にとって、生き抜くうえで射す明るい光のように感じました。このドキュメント的ニュースは2月6日付『東京新聞』に「生き抜く」とのサブタイトルで掲載されました。多くが共感できる内容ですが、ほんの一部を抜き取らせてもらいます。
donko1・・ 2月 8日(木) 17:44
━━━「白杖は魔法のつえです」。視覚障害者の石井健介(44)は、自身がパーソナリティーのTBSラジオ・ポッドキャスト番組の自己紹介で、そう話した。「つえを持っていると、いろんな人が声をかけてくれて、やさしさを分けてくれる」━━━
記者の記事によると、その日は突然やってきた。アパレル関係の仕事をしていた2016年4月、36歳のときだ。朝起きると目が見えなくなっていた。(略)
すぐに入院。その後、多発性硬化症による炎症が原因と判明する。視力が戻ることはなかった。
━━━心配してくれる同室の患者がいた。「話そう」「コーヒー、飲む?」。何度も声をかけられたが、そのたびに断った。でもある日「コーヒーが飲みたい」と言ってみた。「分かった」。明るい声がしたかと思うと、すぐに不自由な体で車椅子を走らせ買いに行ってくれた。手渡されたアイスコーヒーを飲みながら涙があふれた。「こんなに温かいアイスコーヒーを飲んだことはない」。優しさを拒絶せずに受け取ると、喜んでくれる人がいるのだと知った━━━
donko1・・ 2月 8日(木) 17:47
私の老いは、帽子をかぶって、マスクをしていても、歩く格好で、すぐわかる。そのうえに、酸素ボンベを引き、吸入管(カニューラ)を鼻に付けているので、病弱者であることも、わかるでしょう。歩道や一般道を電動カートに乗って走っていると、早々に道を譲ってくれます。信号機のない一般道を横断しようと、左右を確認。左から接近する2台の車が通過するのを待っていると、その2台が横断歩道前で待ってくれた。スーパーに入り「シャンプーの置き場を教えて」と聞いただけなのに、店員さんが日常品のコーナーだけでなく、次のキャットフードのコーナーまで教えてくた。川辺に行くと「昭和の時代は なにかと人の繋がりがあって…」と話し相手になってくれる同年代の人がいるなど、日々、多く人たちの優しさを実感し、私も「ありがとう!」を連発しています。
えっ!色づく桜のつぼみ。早咲きだとしても、早いよ。川辺で2月8日撮影。