樹木好きな皆さんにご意見を伺いたくて投稿します。
ブナ科コナラ属の名称について、サクラ属やツツジ属などと異なり、コナラ属だけが総称ではなく固有の種名が属の和名になっていることを以前から疑問に思っており、「ナラ属」という呼称を私の図鑑で提案したいと思っています。属の和名は、内包する種の総称であることが望ましいからです。
これについて、賛否の意見があれば聞かせていただけませんか。
ガリー 7月 6日(日) 16:10
そもそも
「コナラ属」
という命名になった経緯がわからないのでなんとも言えません。
その経緯がおわかりであれば教えていただきたい。
個人的にはコナラ属でも気になりません。わざわざ変更することの方が煩わしいとも感じます。
sanpo 7月 6日(日) 19:33
所長様、皆様、こんばんは。
ブナ科の属について、今まで深く考えたことはなかったのですが、言われてみれば、クリ属はクリ1種のみ、ブナ属、シイノキ属、マテバシイ属は2種ずつなのに対して、コナラ属は落葉あり常緑ありの20種ほどの大所帯です。
しかも、所長さんがおっしゃるように、コナラという種名が属名になっているのも、確かに違和感がありますね。同時に、コナラ属だけ大雑把なのではと思ってしまいました。
所長さんは既にご存知かと思いますが、下記のようなQ &Aがありました。
属の命名は慣習のようなものなのでしょうか?
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4923
あかね雲 7月 6日(日) 21:28
所長さま 皆さま sanpoさま こんばんは
ナラノキという木を見たこと無いので「ナラノキってどういう木」と夫に尋ねました
この地の里山の多くの先代の人たちは落葉樹の林を利用を生業としていました 夫もそれなりにこの地に植生の木のいろいろは広く浅くですが知っているので尋ねました
すると「ナラノキという木は無い この地でナラノキといえばコナラのこと ミズナラや交雑のナラ類やクヌギもあるけどナラノキといえばコナラのことだよ」と言いました
sanpoさんの紹介されたサイトにも『代表的な種の和名を使っています ナラ ナラノキという種はありません』と書かれてあり納得いたしました
そしてsanpoさんの仰るようにコナラ属は落葉樹と常緑樹が似ていないものも同じ属というのも大雑把で違和感ありますね
ナラ属に代えるのに賛成かコナラ属のままで良いか どちらかに賛成の判断ができませんのに僭越な意見を失礼いたしました
sanpo 7月 7日(月) 10:16
皆様、おはようございます。
「コナラ属」という属名につきましては、確かに突っ込みどころが多く、どうしてこうなったのか疑問に思います。
その上で、所長さんの新しい図鑑で「ナラ属」を採用されることへの賛否を問われるなら、現時点では、私は「否」です。図鑑の生命線である信頼性に、少しでも疑義が差し挟まれることがあってはならないと思うからです。
属名に関する問題提起は、然るべき学会で行われるのが最善ではないでしょうか?
失礼の段は、お許し願います。
あかね雲さん
夫に先立たれた身として、ご夫婦の素敵な会話が羨ましく思いました。
このきなんのき所長
7月 7日(月) 11:10 皆さんご意見ありがとうございます。
コナラ属のままでいい、というご意見も多いようですね。
sanpoさんが記されたURLに書かれているように、コナラを属の代表種として選んだのでしょうが、その名付けた方はむしろ例外で、サクラ属、ツツジ属、ヤナギ属、キイチゴ属、カエデ属のように、種名ではなく総称名で属の和名を名付けるのが大半です。
これらを、ヤマツツジ属、シダレヤナギ属、モミジイチゴ属、イロハモミジ属などと呼ぶのはおかしいでしょう? コナラ属だけがその状態です。
クマシデ属、という名称も以前は使われていましたが、最近はシデ属という呼称が定着しています。
種名が不明のサクラの木があった場合に、「サクラ」「サクラの一種」「サクラ類」のように属名を使って呼べば、総称にもなるので間違いにはなりません。
ところがコナラ属の場合のみ、「コナラ」「コナラの一種」「コナラ類」と呼ぶと、おかしなことになります。ですから、他の属名と基準を揃えて、総称に適した属の和名を提案したいと思っていますが、いかがでしょう?
たろ 7月 7日(月) 14:51
本筋から外れるのですが、いい機会なので教えてください
学名は命名規約がある一方、和名(標準和名、地方名)は、なにやら命名者の思い入れだけで決まるようですね
(納得できない標準和名が山ほどあります)
だとすれば、学名の変更は難しくても、(混乱や周知性を無視すれば)和名を変えることは可能とは考えます。
そこで質問ですが、学名の属名を替えないままで、それに対応している日本語の属名の変更は可能なのでしょうか?
このきなんのき所長
7月 7日(月) 19:06 たろさんご指摘のように、和名には規約やルールはありません。よって、標準和名、というものも植物では定義されていないはずです。
なので、学者や命名者が和名を決めても普及しないケースも多々あるし、園芸業者がつけた呼称が定着するケースもあります。
属の学名はそのままに、対応する属の和名を変えて提案することは可能でしょうが、分類を定義するのは分類学者の専門領域なので、その和名を学界の外から勝手に提案すると、反発があるのかなと感じています。
ちなみに分類学者の間では、いろんな人がいろんな呼称を提案しています。たとえばAPG分類で誕生したサカキ科は、ペンタフィラクス科、モッコク科、サカキ科が使われましたが、サカキ科で定着した印象があります。
sanpo 7月 7日(月) 23:31
皆様、こんばんは。
どうやら、私は、樹木の学名や属、標準和名の命名について、何もわかっていないことに、やっと気づき始めています。
こういうものは全て、学会などしかるべきところで定めたものと思い込んでいたために、学校のテストで、例えば「クヌギは何科何属ですか?」という問題があった場合に、「ブナ科ナラ属」と書かれた図鑑で覚えた生徒は間違いとされてしまうという単純な発想でした。済みません。
業者による園芸種の命名が定着して結果オーライという世界であれば、多くの図鑑を出版された所長さんなら、なおのこと、よりふさわしい属名を提案される適任者と思われます。
というわけで、前言を撤回し、「ナラ属」という呼称を所長さんの図鑑で提案されることに「賛成」に乗り換えます。