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芸能人格付けチェック 2019年 1月 6日(日) 21:52

最近は小学生でも大人顔負けの素晴らしいピアノ演奏ができる人がたくさんいる。社会人でも同様である。私はふだん、ニュース以外のテレビ番組を見ることはほとんどないが、芸能人格付けチェックという番組が正月にかならずあり、皆さんよくご覧になっているようだ。その中で、プロとアマの演奏を聴き分けるというのがある。プロとアマというのは、必ずしも演奏の質を反映しないこともある。プロでもあまり演奏の質が高くない人もいるし、アマでも質が高い人はいる。従って、プロかどうかについては、生業にしているか(できているか)どうかがプロかアマの違いという定義が一番すっきりしている。番組ではそういう意味でプロとアマを分けておらず、演奏の質で聴き分けるということらしい。
ピアノ演奏で質が高いかどうかということを聴き分けるポイントはかなりの種類があり、あるレベルに達すると、ほんの数秒聴くだけで質が高いかどうかは判別できる。以前、知人に聞いた話だが、ある有名なコンクールで、ある審査員を観察していたら、演奏者の最初の30秒くらい聞いて、採点用紙かなにかに何かを少しだけ書いて、あとは寝ていたが、審査結果をみたら、その審査員の出した評価はとても順当なものだったということであった。
そういった聴き分けるポイントというのは、どのポイントについてもある点が共通しているが、大きく分けて3つほどある。それは、音の響きの時間と共に変化する横の流れについて、ほぼ連続的に聞くということだ。ほとんどの人間は、音を断片的にしか聞いていない。たとえば0.1秒聞いて0.4秒聞いていないという状態が繰り返されるような感じである。
更にほとんどの人は1つの線しか聴いていない。たとえば、メロディーを聴いているとすると、メロディー以外の音はほとんど聴いていない。しかし、経験を積んだ人は、複数の線を同時に聴くことができる。訓練すればするほど同時に聴いて認識できる線の本数が増えていく。
更に、同時に複数の音が鳴っているとき、それらの音の響きのバランスの変化を連続的に聴くことができる。
これらの能力は一朝一夕に身につくものではない。かなり長い期間に渡って、伝統的な訓練を積んだ者だけに与えられるものである。
また、メロディー一つをとってみても、いわゆる伝統的な歌い方というのがあって、これは、万人が美しいと思う公理的なもので、クラシック音楽ではそれを長年かけて積み重ねてきている。そういった歌い方を訓練することもかなりの期間が必要で、これは1フレーズを聴けばそういった訓練を積んできているかどうかは簡単にわかってしまう。
視覚に比べ、聴覚というのはかなり曖昧な感覚の気管であるが、それだけに、訓練を積んだかどうかによってかなり能力の差が現れる。しかし、訓練を積まなくても楽しむことができる曲が多数ある。つまり、訓練の度合いに応じて楽しみ方が様々あるということだ。そこが音楽の面白いところである。


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