2. 届出を出せば累計2500万円まで非課税になることも 暦年課税制度の他にもう一つ、「相続時精算課税制度」という贈与税の制度があります。これは、60歳以上の親や祖父母が18歳以上(ただし、2022年3月31日以前の贈与により財産を取得した場合は20歳以上)の子や孫に贈与をする際、最初の贈与税の申告時に「相続時精算課税選択届出書」を税務署に出せば累計2500万円までの贈与は課税されないという制度です。
さらに2023年度の税制改正で、累計2500万円の特別控除とは別に、年間110万円の基礎控除が新たに設けられることが決まりました。2024年1月以降の贈与は年間110万円以内であれば申告・納税が不要です。
お得な制度に思えますが、この制度を使って贈与した財産のうち、年110万円を超える部分の金額は相続税がかかります。また、贈与額の合計が2500万円を超えると「((1年間の贈与額−年間110万円)の累計−2500万円)×20%」の贈与税がかかります。「この制度を使った間柄では、二度と暦年課税制度を使えない」ことに加え、「贈与額が年110万円を超えたら少額でも贈与の翌年3月15日までに申告・納税しないと20%課税される」といった点も要注意です。
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