2008年6月4日 (Wed)

久しぶりに父の事


5/17に再入院して依頼、現在も闘病中の父。


ブログお休みしてる間に色々ありました。
再入院の翌日、私が病院から帰ると家に父が変な電話をしてきた。
???と思いつつ翌日も病院に行くと、つじつまの合わない事をチラホラ喋る。
先生に相談したかったけど、その日は逢えずじまい。

そしてまた翌日病院に行くと、父が完全に壊れていた。
一日中幻覚症状が出て、わけのわからない事を言い続け全く別人になった。


この時点で私は仕事を辞めた。
3つ受けていた依頼のうち早々に2つ仕上げていたのと、あとのひとつは納期が先で
他の人への依頼でも間に合いそうだったので、迷惑のかからないうちに。


私には父より大切な仕事はありません・・・と謝ると上司も納得してくれた。
私事なのに頑張れと応援してくださった上司に感謝。


父の癌はもう心臓や食道も圧迫し始め、痛みに耐えられないようで
麻薬を使いはじめていた。
ただその麻薬も他の人よりはるかに少量なので、こんなに幻覚が見えるのは
頭への転移も疑われるとの説明を受ける。

頭への転移がみられた場合、予期は確実に短くなると・・・・
その場合、呼吸器など着けて延命するかどうか・・・・
などと家族の意見を確認された。
先生が親身に慰めてくださる。

その日、夕方からMRIとCTを撮り転移の確認。
祈る気持ちでひとり病室で涙。
すぐに兄も来てくれて、ふたりで話す長い長い時間。

父が病室に戻り先生から説明を聞く。
MRIは、父が長時間じっとしている事が出来なくて撮影出来ませんでしたと。
CTで見る限りでは、頭への転移はみられませんでしたと。

良かった・・・本当に・・・


で、やはりいくら少量でもこの薬は父に合わなかったようなので別の麻薬で
様子を見ることに。
たぶん入院で環境が変わったりした精神的負担も手伝っての症状だったのではないかと思う。
その夜から薬を変えてもらうと翌日から父は少しずつ普通に戻ってきた。
ただ薬が抜け切るまでは、おかしな事も言ったし痛みもひどいようだった。


1週間ほどで完全に元の父復活。
一般病棟では痛みの緩和に出せる薬の制限があるらしく、緩和病棟への
移動も視野に入れてみては?と先生から勧められる。

同じ病院内にある緩和病棟へ移れば、完全個室で家族が何時に来ても面会でき泊まる事も出来る。
主治医は変わりなく父の好きな先生で、プラス緩和病棟の先生も付いて下さる。
痛みが少ない時には落ちてしまった筋肉を戻すべくリハビリも取り入れる。

そう言う病棟での治療はどうですか?と本人の意思確認。
「リハビリは嫌ではないですか?」の問いに
「はい、やりたいです。トイレくらい自分でいけるようになりたいです。」と父。
「苦しいかもしれませんよ、頑張れますか?」と聞かれ
「はい、頑張ります!一生懸命頑張ります!」と答える。
このやり取りの時、父が起こせない身体ながらも寝たまま直立不動の姿勢で
答えるのが可笑しかった。


主治医の先生が移動手続きの希望を出して下さり、書類が受理された時点で面接。
本人と家族も立ち会っての面接が行われ、その後審査があり通れば移動。
ただ現在のところ希望者が多く満室で空き部屋を待ってる人も多い。
父の病状から行くと優先される可能性も無きにしも非ず・・・という感じらしい。


今の段階では面接待ちをしつつ、緩和の先生が毎日3~4人で一般病棟に足を運んで下さり、
父と話をし痛みの緩和状態や幻覚が出ていないかなどをチェック。
主治医の先生と相談して薬の量や種類を微調整してくれている。


昨日から食事も薬も飲み込めなくなり栄養剤と貼り薬に変更。
今日は少し幻覚が見えるも自分で「あ~、幻覚やなぁ・・・」と理解している様子。
この程度で痛みが抑えられているなら、このまま様子を見ましょうとの事。


先生曰く、簡単な計算問題や漢字をスラスラ答えるので、かなり博学な方だったのでしょうと・・・・
「何をおっしゃいますやら・・・うふふふ」と嬉しそうに口をすぼめて笑う父。
また痛みがひどくなれば、自分や私が誰かも解らなくなる状態に陥るだろう。
それを見るのは辛い。
でも父の痛みや苦しみが少しでも緩和されるなら致し方無いのだろう。


たくさんの先生や看護士さんに見守られ、必死に頑張る父。
毎日私と兄が来るのを待ちわびている父。
私が帰る時間になると手を握り寂しがる父。
わがままを言って私を困らせる事も多々あるけれど、今の時間を大切にしたい。

前のように退院してあれがしたい、これがしたいとは言わなくなった父。
それでも病院で頑張ると言う父。

「最高の息子と娘に恵まれまして」と私に自慢する父。
なんで私に?(笑)

「娘が毎日600キロも運転して逢いに来てくれます」と先生に話す父。
600キロやなくて60キロやからね。

視力がなくなってきてしまい先生が指す指を答えるのに・・・
「これは何本?」「1」
「これは?」「2」
「これは?」「3」
「じゃあこれは?」「フォ~!」
・・・・なぜか4だけ英語・・・・
「レイザーラモン???」と私が小さい声でつぶやくと先生が笑われる。
先生が笑うと父も嬉しくなって「えへへへへ」
私はなんかもうハニワ顔で金縛りにあいそうですわ・・・・


以前のように前向きにとはいかずとも、何とか痛みを堪え頑張ってます。
何も解らず、うんちまみれになっちゃったりする事もあるけど頑張って生きてます。
とにかく私も一緒に頑張るからね。
毎日欠かさず60キロ運転して逢いに行くからね。


ブログお休み中、たくさんのメールを頂いて返信もせずにごめんなさい。
心配してくださって本当に感謝してます。
本当はひとりずつお礼を言いたいけれど、もう少しごめんなさい。
PIXYも元気でおりこうに留守番してくれてるよ!
いつもいつも本当にありがとう。
感謝を込めての近況報告です。
2008-06-04 18:36 in PIXY | Comments (43) #