2011 08月 14日

そんなの知ってるけど・・・理解してるかな?


長年スプリンガーのブリーダーとして考えたいた事ですが、「犬の本能と習性について」と「家庭犬としての躾け」について勉強してみました。
スプリンガーという犬種だけでなく、他犬種にもあてはまると思いますので「こんなの犬の本を見て知ってる」とか「家の子は全然大丈夫」という飼い主さん達も初心に戻って読んで見てくださいね。
今回は「本能と習性」です。

犬の本能と習性は、皆さんもご存知の通り祖先のオオカミから受け継いだもので、どんなに品種改良された犬でも現代の家庭犬にもすべて継承されています。
犬の本能には多くの本能がありますが、この中で正しく理解し認識しておかなくてはならない重要な本能が「群棲・権勢・服従」の3つの本能です。
では、その3つの本能とは?

◆群棲本能・・・犬が群れ社会で生活する事です。その群れの世界には「横の繋がり」は一切ありません。必ずリーダーがいて一番下位のものもいます。そしてリーダーを頂点とする「縦型の社会」を築きます。

◆服従本能・・・群れの中で下位の者が上位の者に服従することで「服従本能」が発達します。家庭犬として一番重要な本能ですので発達させなくてはなりません。

◆権勢本能・・・群れの中で上位の者は下位の者に権勢し、権勢本能が発達します。家庭犬として飼われている現代社会の犬は絶対に眠らせておくべき本能です。権勢本能が発達すればするほどストレスがかかり寿命を縮める結果となるようです。例をあげればサル山のボスはストレスで早死にするのが多いそうです。

犬にも人間同様気質があるので「服従本能が生まれつき強い犬」「権勢本能が生まれつき強い犬」がいます。

●犬は飼い主そして家庭内家族を犬自身の群れと思いながら生活しています。もちろん犬の頭の中では「縦社会」「階級制度」があり家族内の「優位劣位」を判断しながら行動しています。

飼い主が犬を甘やかし中途半端な気持ちで接していると、犬はつけあがり「飼い主=下位の者」と勘違いしてしまいます。そうして権勢本能が発達していき、頼りない飼い主の代わりにリーダーシップを発揮していきます。
家の中や庭先で放し飼いにしたり、つなぎっぱなしの犬は「権勢本能」が発達しやすい状況下にあります。自分の領域や飼い主に対して保護者的意識が生まれ、郵便配達の人や来客、散歩時の他の犬への威嚇・攻撃行動に結びつきます。このような犬への対応や飼育環境によりすべての問題行動の発生につながります。

●家のリーダーになったと思い込んだ犬は「家族=群れ」の権勢を取る為、飼い主を服従させようとします。
言うことを聞かない飼い主に対し「威嚇」を用い鼻にしわをよせて低い声でうなります。それでも服従しない場合に「攻撃」するようになります。
そして飼い犬に手を噛まれるという結果に繋がります。
噛まれた飼い主にはもちろん恐怖心が生まれ犬の言いなりになっていくケースが多いです。
噛んだ犬の方は、飼い主を噛んだ後に良心が痛むなんて事はありません。
言う事を聞かない下位の者に制裁を加えたまでのこととしか思っていないでしょう。飼い主が犬の言いなりにの対応をし尽くし上げたとしても恩義を感じません。下位の者がリーダーである自分に尽くすのは当然だと思っているからです。
家庭内での犬の階級は一番下にしておかなくてはなりません。誰々の言うことは聞くけど誰々の言うことは聞かない。などそこから問題行動が発生していくからです。
このようにして犬が家庭内を仕切り、リーダーとして君臨するようになり様々な問題発生を起こす犬の事を「権勢症候群(アルファシンドローム」といいます。スプリンガーを飼われている方はよくご存知だと思います。

権勢症候群の一般的行動としていくつか例をあげます。
①散歩の時いつも先頭に立ちぐいぐい行きたい方向へ引っ張る。
②散歩で歩いている時に他の犬とすれ違う時に吠えたり攻撃行動にでる。
③自分の物を取られまいとして飼い主を威嚇する。
④飼い主の脚を抱えマウントをする。
⑤飼い主にマーキングする。
⑥飼い主の手にじゃれて噛む。
⑦食事中に人が寄ると威嚇する。
⑧散歩中止まって動かない。
⑨呼んでも来ない、命令しても無視する。
⑩ソファの上に乗っている時にどかそうとすると威嚇する。
などなど。上記の10項だけでも思い当たるふしがあればご注意下さい。

飼育環境や対応を変える事で改善する余地はあります。
次回は「家庭犬としての躾け」を考えたいと思います。

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