この季節になるといつも思い出すことがあります。
あれは今から7年前のこと。ある新聞記事の募集を見て「これに出てみたい!」と思い、早速応募した
ところ運良くパスしたのでした。
それは伊藤多喜雄主催「TAKIO TOMAKOMAI FESTA 98」という音楽祭で、苫小牧出身の多喜雄さんが
当時毎年開いていました。プロを目指すミュージシャンと多喜雄さんのお友達ミュージシャン(この日は
森山良子さん、宗次郎さん、中島啓江さん、二葉百合子さん、小椋佳さんなど)が出演する1日がかりの
コンサート。会場は苫小牧市にある白鳥アリーナで、地元の方にも人気で3800人もの入場者。(その年は
市制50周年記念も兼ねていました) そんなたくさんの人の前で歌ってみたかったんだなぁ、実は。
到着後まず楽屋へ案内され、まもなく多喜雄さんが直々にあいさつにまわってみえた時は驚きましたねぇ。
だってあんなビックな方と目の前で話したんですよ。緊張をほぐすために来て下さったんでしょうが、
かえって緊張してしまいましたよ!
それから今度はジョイントして下さるミュージシャンの方の楽屋へ打ち合わせに。誰だと思います?
これまたすごいあの「石川鷹彦」さんですよ! ありえないでしょう、普通。私たちみたいなのが
鷹彦さんとだなんて。
これは多喜雄さんの演出で、その日の出場者はゲストのミュージシャンとジョイントできるというすごい
おまけ付コンサートだったのです。いわゆるプロの演奏と意気込みを身体で感じてほしいということなの
です。さすが多喜雄さん!
私たちが演奏したのは、オリジナルで「北の街」そして「アメージンググレイス」でした。
緊張というよりは、ただただうれしくてしょうがなかったですね。あんなにたくさんの人に聴いてもらえた
わけですから。しかも鷹彦さんのギター入り! ずーっと笑顔で歌ってたような気がします。
あっという間に出番が終わり、着替えて会場の一番後ろに立って(超満席のため)最後までコンサートを
観ていたその時「サエラさんはいませんか~」と誰か私たちを呼んでいるではありませんか。
「えっ?何があったの?」訳がわからず周りを見回すと「いたいた! 早くステージへ!」と言うが早いか、
ずーっと後ろからステージまであれよあれよという間に連れて行かれてしまったのです。
つづく