誕生日
昼過ぎ頃に電話が鳴り、受話器を取った夫が「え? 何? 誕生日?」といっている。 私も、誕生日? はて、孫はまだのはずだし、何の話? と思う。 そしたら夫が私に受話器をよこしながら、「誕生日おめでとうだってさ」とニヤニヤする。 え? 私? とあわててカレンダーを見る。えーと、今日何日だっけ?
受話器の向こうから3歳の孫の甲高い声が響く。 「おばあちゃん、おたんじょうび、おめでとう!」 父親に教えられた通りの一語一語はっきりした声だ。 「ありがとう!」といいながら、プッと笑いそうになる。 そうか、今日か、すっかり忘れてた。
「〇〇は3歳。おばあちゃんは何歳?」 ウッと詰まる。なかなか鋭いとこを突いてくる。 反撃に転ずる。「5歳。〇〇よりちょっとお姉ちゃんよ」 ふ~~ん、と納得していないらしい気配。
敵もさるもの、ターゲットを変えて「おじいちゃんは何歳?」ときた。 夫に受話器を渡す。夫も負けてはいない。「おじいちゃんはね~、忘れたぁ~」 受話器の向こうで、「忘れたって」と父親に報告している声が聞こえる。 雨がザンザン降る音しきりの中での孫との攻防戦、けっこう面白かった。
2021-08-17 15:01 in 日常
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