小学生の頃は図書の貸し出しカードをクラス1を競ってよく読書したものです。
典型的な数学チブル(頭)の私が成績の伸びない国語をどうにかしようと高3の夏休みに日本文学全集をものすごい勢いで制覇!一気にごぼう抜きの現国成績アップに気をよくした思い出があります。
大学生時代はテレビも無くまじめな学友のお陰で勉強の合間に世界文学全集や遠藤周作・石川達三・三浦綾子などを読みふけりました。
社会人になってからは本は好きですが 手芸やスポーツ・楽器と熱中する趣味が多くて もっぱら通勤のバスの中だけになりました。
結婚すると共働きの上に子育てにおおわらわで 仕事の合間(お昼休み)が唯一の息抜き読書タイムでした。夢中になって家族が寝静まってからトイレで読んだこともあったっけ。
子どもが生まれてからは「育児法」「3歳までに・・・」「天使の育て方」「頭のいい子に育てるには」「思春期の子の対応の仕方」「生き方上手」etc・・・実用書ばかり読んでいましたね~
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先日友人のおススメに久しぶりに購入して読んだ単行本
「かあちゃん」のタイトル・・・泣けるという紹介文に引き寄せられて 母子の心温まるお話で「久しぶりに泣くか♪」と読み始めました。重松清は初めてですが すっと入ってくる文体に一気に読み終えました。
でも私の思っていたほのぼの展開ではなく 中学生のいじめの問題を中心軸に 一生償い続ける「かあちゃん」を通して「自分の犯した罪を忘れずに生きていくこと」を学んだ中学生と親の成長物語といったところか。
交通事故で亡くなったダンナさんの罪を背負って26年間全く笑わずに一心に働いて生きた「かあちゃん」
いくらフィクションだといっても 運命は定めだというけど 45歳で未亡人にはなったけれど一生笑って暮らせた母は幸せだったなぁとつくづく感謝します。
詳しくお話するよりこれは是非中高生の子どもたちに読んで欲しいと思います。いじめが近くにある人ならまだ間に合う今のうちに!
思春期の彼らは親の小言や説教より この本が絶対心に伝わるはずだから。
いくつかの母と子のお話がありますが 認知症の母親を介護する娘の気持ち。子どもに「生まれてきてくれてありがとう」と思う親の気持ち。兄弟愛。何度も涙で文字が見えなくなりながら読んだ後 清々しい気持ちになった本でした。
みなさんもお読みになりませんか?