「校長だより」からいいお話を・・・
『ひび割れ壷の物語』
水汲み人足は、二つの壷を天秤棒でかつぎ・ご主人様のために小川から水を運びます。その壷のひとつにはひびが入っていて もうひとつの完璧な壷は一滴の水もこぼさないのに、そのひび割れ壷は人足が水をいっぱい入れてくれても、ご主人様の家に着く頃には水が半分になっているので、いつも自分を恥じていました。
二年が過ぎたある日、すっかり惨めになっていたひび割れ壷は、川のほとりで水汲み人足に言いました。
「私は自分が恥ずかしい。そしてあなたにすまないと思っている。」
水汲み人足は気の毒に思い言いました。
「これからご主人様の家に帰る途中 道端に咲いているきれいな花を見てごらん」
天秤棒にぶら下げられて丘を登っていく時 お日様に照らされ美しく咲き誇る道端の花に気付きました。花は本当に美しく壷は元気になりました。しかし ご主人様の家に着く頃には いつものように水を半分減らしてしまった自分を恥じて人足に謝りました。
「道端の花に気付いたかい?その花が君の側にしか咲いていないのに気付いたかい?僕は君からこぼれ落ちる水に気付いて君が通る側に花の種をまいたんだ。そして君は毎日僕が小川から帰る途中水をまいてくれた。君を知ってから僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。君があるままの君じゃなかったら この美しい花で家を飾ることはできなかったんだよ。」
☆ ☆ ☆
友人からのメールにはこう添え書きが・・・「私たちはみな それぞれユニークなひび割れを持っています。それを責めるのではなく 花の種をまくことが大事です。」
校長先生の返信は・・・「天のわが材を生ずる。必ず用あればなり。(神様が私を作った以上 きっと何かの役に立つはずだ)」
進路を決めかねている高校2年の娘
そのひびを見極め種を蒔いてあげられるか・・・親としてはそこが問題!
「世界にひとつだけの花」を綺麗に咲かせてあげたいものです