2008 01月 27日

母の糠床



子供の頃嫌いだったもの~ジャガイモの味噌汁、納豆、糠漬け。
なのにわたしが母から言い付かった仕事は毎朝樽の糠床をかき混ぜる事。
嫌だということをさも嬉しそうに言いつける母に反抗して糠をかき混ぜることを忘れた振りをすると決まって「けいは何故約束したことをやらない そんな子はお母さんの子ではない」と雷が落ちた。
それが辛くって毎朝学校に行く前に糠床をかきまぜるのだけれど・・・どんなに手を綺麗に洗っても糠の匂いは消えてはくれない。
糠床をかき混ぜるのが嫌なのではなくて、学校で友達に「けいの手ってなんか匂うよ」といわれるのが悲しかっただけなのに母にはそれが云えなかった。

その母の糠床はいまわたしのキッチンで大きな顔をして毎日の食卓に大根~人参~きゅうりなどなどをしっかり漬け込んで優しい漬物に変身させてくれる。
玄米ご飯に野菜たっぷりのお味噌汁に糠漬け、母が好きだった朝食の献立はいまはわたしの大好きな朝ごはん。
どんなに食欲のない朝でも梅干1個入れたお番茶に糠漬けは美味しい母の味。

先日雑貨屋さんで見つけた琺瑯の小さなクッキー缶、中蓋がついていて使い勝手がよさそう~さっそく瓶の糠床を移し変えてキッチンの隅に置いてみる。
母の糠床、玄米を精米して出る米糠を継ぎ足して継ぎ足していまはわたしの宝物。
キーボードを打つ手を時々鼻に近づけると・・・糠床の匂いがしっかりついて幸せな気持ちになれる。
子供の頃、なんでこの匂いが嫌いだったのか時々そんなことを思い出しては一人で苦笑。
年とともに味覚は変わってジャガイモ、納豆、糠漬け大好き人間に大変身♪
好き嫌いのない子に育ててくれた母に感謝 感謝。
約束守らないとお母さんに叱られるよ~いまは大きな顔して姪に説教している 笑

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