粉粉ぱんに使用している岩手県産のナンブ小麦
毎月岩手の製粉所から一日半の旅をして我が家に到着
25㎏の粉をキャスター付きのボックスに
さっと収めてくれるのは宅急便のドライバーさん
そのボックスを定位置までコロコロ転がしふぅっと深呼吸
挽きたての粉の香りと水分のチェックしながら麦畑に想いを馳せる
同じ粉でも少しづづ微妙に手触りが違う やはり粉も生きている
3.11の震災の際には道路が寸断されて粉が入手できなかった時
新潟に避難されてこられた方々のために
頑張ってぱんを焼いてくださいと
沢山の友人や師匠が粉を調達して送ってくださり
200㎏の粉で来る日も来る日もぱんを焼いて
教室の生徒さん達と避難所回り
乳製品アレルギーのお子さんを持つお母さんの
ありがとうの声に支えられ 命の重さを教えられた
励ましに出かけて励まされて帰る毎日
それでも何もしなければ何も生まれないと気付かされた
ぱんの師匠から学んだ生きているぱん作りは
とても大きく意味のあることだったのに
沢山の事を見過ごして来た自分の未熟さと
前に進めない歯がゆさで心が揺れた夜
命を託されたあの日から物作り人に課せられた大きな課題
たどり着くにはまだまだ遠い道のり
木の幹がしっかりしていれば葉はどんなに揺れても大丈夫
大きな事も奇を衒うこともしなくていい
暮らしの一つ一つを丁寧に小さな積み重ねが一番大事と
佐藤初音さんの言葉から歩いていける勇気を貰った
転びながら学んだことは本当に多かった
戴いた絆の温いぬくもり
今度はわたしが次のどなたかにバトンできるよう
凹んでないで がんばれ わたしです
広島の旅人さんから陣中見舞いの梨
甘くほろほろを味わいながら頑張れの声が聞こえたようで涙腺が緩みました