なぜか子供のころから物作り人が大好きでした
ご近所に人工大理石の工場があったり布団綿を打ち直す場所があったり
同級生の家業がお豆腐屋さんだったり籠を編んで売っているお店だったり
学校帰りの道草は何時も決まってそんなお店を回ってました
やっていることはそれぞれに違うのに
何故か根をしっかり下ろして生きているそんな逞しさは同じ物作り人
そして一人一人の職人さんが自分の居場所で輝いている気がしました
いつか自分もそんな物作り人になりたいという根っこを作ってくれた人たちです
自分の居場所は自分で作るそれを教えてくれたのも物作り人
鉄砲玉のように話をしながら
手は休むことなく動いていたのは子供の目にも感動でした
決して華やかな世界でもなく傍目からかっこよく見えなくても
きらきら輝く眼差しはずっとずっと遠く見据えながら誇りをもって生きている
自分もそんな大人になりたかった
でもそんな物作り人には幾つになっても遥か遠い道のり
わたしのいるところはまだ梯子段の一段目 登っては落っこちるの繰り返し
遥か彼方の目指す自分の居場所に向かって一日一センチ
気の遠くなるような道を選んで歩いている気がします