木工作家 加藤 良行氏の 胡桃の木の食器
母の日には間に合わなかったけれど三か月遅れのプレゼント
綺麗でかわいいものが大好きだった母 暮らしを楽しむことが得意だった母
そんな母がいま施設で使っているのはプラスチックの軽い食器
好きな着物も思い出の品もなんにも入っていない小さなロッカーひとつ
体力がなくなれば重い食器も箸も持てなくなったら仕方のないこと
分かっていても思わず涙腺が緩む
いま自分が大切だと思っているものも永遠に傍におけるとは限らない
そんな現実をたたきつけられたようで心が震えた
せめて家族が面会に行ったときには「人間らしい」食事やおやつを母に味わってほしい
現実拒否時間 人間の尊厳を最後まで見守りたい ささやかな娘の願い
一切れのバナナ 二匙のアイス 200ccのカフェオーレ
これだけのものをゆっくりゆっくり一時間 咽ないように口に運ぶ
プラスチックのお皿も木のお皿も食べることに何の違いもないけれど
気のせいか母が嬉しそうにレンゲに手を伸ばしてバナナを掴もうとした
最後まで食事を大切にしてほしいそんな祈りの食器を母は分かってくれたのだろうか
命の重さ 生きることの意味 掌の中にある小さな幸せを噛みしめて
日々の暮らしを営むことを母から学んだ気がします
8月31日(土曜日) ご用意出来ますぱん
■ オレンジといちじくのミニバタール
■ ブルーベリーイングリツシュマフィン
■ ズッキーニのぱんピザ
■ 田舎ぱん
■ 食ぱん
■ フランスパン