キッチン工房の夏休み、雑用に追われて気がつけば三週間目に突入
酵母種を繋ぎながら何時もの半分の量の生地を仕込み、ゆるゆると試作のぱんを焼く
それは7カ月間頑張った自分への褒美の時間と暮らしの足音に耳を澄ませる時間
真っ直ぐに走る ちょっとだけ寄り道をする 本屋の隅っこでお茶を飲む
頼りなげに伸びてきたゴーヤのツルを見ながら午後の工房で蝉の音を聞く
暑くて短い夏の終わりはきっと突然にやってくる
八色スイカの真っ赤な果肉を片手ですくいながら空いた手で本のページをめくる
8月の暮らしのかたちが秋になったらどんな粉粉ぱんに繋がっていくのだろう
今週末は埼玉の施設にいる母に会いに行きます
老眼鏡が必要な年代になっても母にとってはいつまでも子供のわたし
母のためだけに作るぱん、子供の名前を忘れても「あんぱん」の味を覚えていて欲しい
小さな幸せが手の平からこぼれ落ちないようにありがとうを届けに行ってきます。