2013 08月 27日

母の食器



木工作家 加藤 良行氏の 胡桃の木の食器

母の日には間に合わなかったけれど三か月遅れのプレゼント

綺麗でかわいいものが大好きだった母 暮らしを楽しむことが得意だった母

そんな母がいま施設で使っているのはプラスチックの軽い食器

好きな着物も思い出の品もなんにも入っていない小さなロッカーひとつ

体力がなくなれば重い食器も箸も持てなくなったら仕方のないこと

分かっていても思わず涙腺が緩む

いま自分が大切だと思っているものも永遠に傍におけるとは限らない

そんな現実をたたきつけられたようで心が震えた

せめて家族が面会に行ったときには「人間らしい」食事やおやつを母に味わってほしい

現実拒否時間 人間の尊厳を最後まで見守りたい ささやかな娘の願い

一切れのバナナ  二匙のアイス 200ccのカフェオーレ

これだけのものをゆっくりゆっくり一時間 咽ないように口に運ぶ

プラスチックのお皿も木のお皿も食べることに何の違いもないけれど

気のせいか母が嬉しそうにレンゲに手を伸ばしてバナナを掴もうとした

最後まで食事を大切にしてほしいそんな祈りの食器を母は分かってくれたのだろうか

命の重さ 生きることの意味 掌の中にある小さな幸せを噛みしめて

日々の暮らしを営むことを母から学んだ気がします


      8月31日(土曜日) ご用意出来ますぱん


   ■ オレンジといちじくのミニバタール
   ■ ブルーベリーイングリツシュマフィン
   ■ ズッキーニのぱんピザ
   ■ 田舎ぱん
   ■ 食ぱん
   ■ フランスパン 
  
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