迷ったら初心に帰る
拠り所は師匠の三冊目の著書 「国産小麦のぱん作りテキスト」
ポロポロになるまで読破しこの本で5冊目
師匠に出会ってからの10年の足跡が残る
一冊目の本に師匠が書いてくださった
「好気心 探求心 成長の糧です」の文字
ぱん作り人としての進むべき道の指針でした
1995年から10年間 ぱんのいろはを教えてくださった杉山先生
その後10年間 天然酵母ぱんの奥の深さを教えてくださった伊藤先生
お二人からまったく違う二つの粉の道を教えていただき
二つの粉と粉から名前をいただいてスタートした「キッチン工房 粉粉」
この20年 迷いながら躓きながら揺れながら
それでも歩きたかったぱんの道
伊藤先生のぱん生地に対する所作と見事な手さばき
ぱん作りとは形や見た目も大切ながら
「ぱん生地は生きている」と大きな手で生地を傷めないように
流れるように静かな一連の作業を見せて下さった
ともすれば自己流になってしまいがちなわたしの所作を無言で戒められた
ただ単に流れ作業的なぱん作りならば数をこなすことは容易いかもしれない
けれどそこに心が伴わなければ人間としての成長もない
師匠の手の動きとぱん生地をわが子のように愛おしく見つめられたお姿に
人の命を預かる作り人は決して安易な道を選んではいけないことを教えられた
暮らしはゆっくり 多くの事が出来なくても 沢山の失敗を重ねても
道草しながら大きく深呼吸 出来ることから丁寧に始めよう
いまの暮らしに大切なのは優しいぱん作り人を目指すこと
師匠のお顔を思い出しながら雑多なぱん作りはすまいと自分に言い聞かせる
最初に手ほどきをいただいた「田舎ぱん」はわたしの原点ぱん
作り続けて10年目の秋
たった一個のぱんが人生をも変える力があったこと
昨日 今日 明日
願うことはたったひとつ 幸せぱんの作り手になりたい
ご高齢でありながら生涯をぱんと共に歩かれ
今もなお真っ直ぐにご自分の道を歩いておられる師匠の
志の欠片を受け継ぐ夢追い人になりたい
再びスタート地点に立ち 心してがんばれわたし 。。。。。 です