2015年6月11日 (Thu)

玉ねぎ賛歌



日高でご縁繋がりの方から時々ご両親様が作られるお野菜を頂戴します

本日いただいたのは大きくて立派な玉ねぎ

添えられていたメモに

紐で縛ってあるのは父作 ばらばらの方は母作です

味比べをして下さいとありました

玉ねぎと言えばお料理の名脇役 幾多も助けられてます

学生の頃 初めてのひとり暮らし

玉ねぎの炒め物 玉ねぎの味噌汁 玉ねぎのサラダ

お料理のレパートリーもなく途方にくれて本当に玉ねぎ尽くしの食生活でした

あれから◯◯年

今でも家人に呆れられながら懐かしくて玉ねぎの味噌汁が登場します

いただいた玉ねぎ 父様作と母様作 甘みがあって瑞々しく

しばし学生時代にタイムスリップ

ひとり暮らしを支えてくれた玉ねぎはわたしの出発点の相棒でした

2015-06-11 09:39 in | Comments (6) #

2015年6月7日 (Sun)

葡萄のきもち



オイルコーティングされていないオーガニックレーズンを
沸騰したたっぷりのお湯でさっと湯がき洗い
修行中 始めてこの作業を見たときはびっくりしたのを思い出します

ザルにあけてまたびっくり
小さなゴミと細かい砂がかなり沢山ボールの底に沈んでいた
洗ったレーズンをさらに流水でもみ洗い
そのまま半日ほど水切りをし
ラム酒に漬けて一晩寝かせ その後キッチンペーパーに広げ
レーズンに小さな軸など付いていないかの確認作業
此処まで約3日 やっと葡萄ぱんに使えるレーズンが完成
ふっくらとラム酒を含んだレーズンはいつ見ても見ほれてしまう

そのレーズンの粒を潰さないようにぱん生地と一緒には捏ねず
捏ねあがった生地に少しづつ手作業で混ぜ込んでいく
生地100%に対して50%の大量のレーズン
均等に混ぜてるつもりでもなかなか綺麗に並んでくれない手捏ねは難しい
24℃の温度で12時間〜14時間 捏ねた生地を長時間低温発酵
発酵済みの生地を成型し30度の発酵器に入れ120分の仕上げの発酵
200度のオーブンで10分.温度を180度に下げて15分焼成
文字にしたら何行でもないぱん作りの工程
丸4日かかってやっとぶどうぱんの完成です

手間ひま掛けて美味しくなるという作業
潰された葡萄の気持ちになって出来るだけ形を残したいわたしの気持ち
いつもいつもはらはらどきどき真剣勝負
葡萄が10% 20%しか入らないぱんは葡萄入りばんであって葡萄ばんとは云えない
50%の葡萄の入ったものを「葡萄ぱん」と云えるぱんだと師匠から教わった
丁寧に丁寧に 暮らす事を教えてくれる葡萄ぱん作り時間です
2015-06-07 17:02 in | Comments (6) #

2015年6月3日 (Wed)

あって無いようなもの



小さなレシピボックスの中身は人様から見たら難解カード入れ
ぱんのレシピ お料理のレシピ デザートのレシピ 保存食のレシピ
わたしのレシピには材料と大まかな分量のみで作り方が書かれていない

そもそもわたしの 料理&ぱんの師匠 から
「レシピ」と言うものをいただいた事が無いのです

フランス料理の師匠のスタジオには本日のメニューが黒板に書かれているだけ
料理が始まると口頭で分量と作り方のご教示があり
各自自分の言葉でメモを取る形式のレッスン

ぱんの師匠は本日の発酵生地を目の前にど〜んと置かれ
師匠が作られるのを見よう見まねの作り真似レッスン
後から分量のメモ書きが回覧され
各自自分で作れる量を計算して自分ノートを作る

そのせいか材料や作り方が沢山の文字になって並んでいる料理本を見ると
難解そうで作る意欲が消失してしまう
自分しか見ないレシピだから簡単が一番と落ち着いてしまった

それでもぱん教室のランチメニューレシピはAとBを混ぜる 又は 合える
上から順に材料を加えていくなどと簡単三行レシピを考える
ぱん教室の教科書は師匠が書かれた著書がテキスト

書き溜めたぱん&料理レシピは名刺2枚程度の小さなカード式
それが最近シニアグラスのお世話になるようになって小さくて見えずらい
毎日少しづつ B6 サイズのカードに移行作業
途中で 脱線 休憩 が入るのでなかなか作業が進まない

のんびり ゆっくり 一体何時になったら終わるのか。。。。。
果てし無い作業は続くです
2015-06-03 14:10 in | Comments (4) #

2015年5月30日 (Sat)

決意の先に


ネットのお友達であり人生の大先輩のゆうさんがご自身のブログに
「銃では紛争状態にある国を救えません
人道支援こそ憎しみを消し去って紛争解決→平和への道です」と
国境なき医師団の事を書かれていらっしゃいました

わたしにも大きな決意をされて新潟を離れられた「名もなき看護師さん」と
その方からいただいた一通の大切な手紙があります

************************************
キッチン粉粉 先生へ

このたび夫の転勤で岡山県津山へ引っ越すことになりました
夫はもともと新潟に住んでおり私が任期途中で新潟に嫁に来ました
せっかく土地になれてきたのに残念です

昨年の夏から現在 春に向かう季節を新潟で過ごしました
冬に向かうグレーの空が続く日々にたまの晴れ間がとてもありがたく
お天道さまのありがたさを教えてくれました

そしてなれない土地でくらすと人とのつながりがとても大切に思えて
キッチン工房 粉粉さんのぱん教室はそのつながりを感じられるものでした
きっとこれからも粉粉さんのことを思いだすときはばんの香りとともに
楽しく話した時間を思い浮かべると思います

ばん生地を発酵している間 一晩添い寝をしながら
育むという事の意味を知ったように思われました
そして 自分で焼いたぱんが愛おしくとても美味しく感じられました

このような機会を与えてくださった先生に感謝しています 
ありがとうございました
先生のぱんが食べられなくなるのはとても残念ですが
これからもぱんを焼き続けていこうと思います
まだまだ寒い日が続きますがお身体ご自愛ください  JA

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この手紙は悲しい震災があった 3.11 直後にご本人がごあいさつにと
持ってきてくださったものです

そして引越しの荷物が落ち着いて主人が許してくれるなら
みんなから見捨てられた 故郷の福島 に戻り医療の現場で
避難出来ない人たちのための仮設の診療所で働くつもりですと話してくださいました

一点の曇りのない彼女のまっすぐな眼差しに被ばくするかもしれない危険な場所で
それでも故郷の為に働きたいという看護師としての揺るぎない決意を知りました

必ずまた先生に会いに来ますと笑顔で別れた夕暮れ時
その後消息が途絶えたまま、いつも心にあの日の彼女の笑顔が残っています

わたしはあなたから進むべき道に迷ったらどんなに辛くても
人が喜んでくれる道を選んで歩くという勇気を教えていただきました
現状は違ってもあなたは国境なき医師団と同じ名もなき尊い看護師さんです

JAさん どうかこのブログをどこかで目にすることがあったならご連絡ください
2015-05-30 23:29 in | Comments (4) #

2015年5月27日 (Wed)

日高野菜





本日のぱん教室の試食&ランチメニュー

・日高野菜の和風白味噌デイップ
・長ネギのポタージュ
・デザートはキャラメルムース
ぱんの焼成の合間に皆さんと作っていただく賑やかランチです

出来るだけ地元の食材を使い、簡単に手に入る物ばかり
試食のぱんに合う簡単ランチ
その日その日にアレンジしたり即興だったり
添えるハーブやお花は自宅の花壇から調達

アイスコーヒーや紅茶のお代わりをする頃には
皆さんが成型されたぱんが焼きあがる時間
一番ホッとする時間です

毎日暑かったり寒かったりで発酵温度もまちまち
それでも頑張ってくれたぱん生地さんたち
作り手のわたしも頑張らなくては
四方を吹き抜ける風が心地良い午後です
2015-05-27 15:43 in | Comments (4) #

2015年5月25日 (Mon)

思いつきはいつも真夜中



真夜中にふと思いつくぱんのレシピ
配合だったり 成型だったり  トッピングだったり  組み合わせだったり
それが朝になると思いつきが消えていたり輝きが薄れていたり

思いつきはそのままにしないように
真夜中でも飛び起きて机に向かう
成型のスケッチだったり 簡単でも配合はきちんとカードに残す
気が付けば新聞配達の音が聞こえ夜が明ける事もしばしば

わたしのぱん作りは何時も遠回りの道草ばかり
人様のように一足飛びに結果が出せない
ああでもない こうでもないと空回りの時間ばかり過ぎていく
気負って頑張って撃沈 壁に激突しては気負いに負けてふりだしに
それでも失敗から学ぶことは本当に大きかった

生きているぱん生地を前にいつもおたおた泣き言ばかり
けれど逃げ道のない修行の時間
半日以上頑張ってくれた発酵済みの生地を前に
学びの時が何より幸せだと思える時間

食べてくださる方に喜んでいただけるぱんの作り手になりたい
作り手が幸せでなかったら幸せなぱんは作れないから
何時も笑顔でいるために楽しい事を懸命に考える

書き溜めたレシピを一枚一枚見直しては作り直したり追記したり
ここから何かが生まれることを願って一日の終わりにもうひと踏ん張り
毎日毎日小さなあがきの繰り返し
真夜中に生まれる小さな思いつきは
きっとぱんの神様からの贈り物かも知れません
2015-05-25 00:45 in | Comments (4) #

2015年5月21日 (Thu)

お惣菜ケーキ



甘くないパウンドケーキ cake salé
我が家では 「お惣菜ケーキ」と呼んでます

基本材料は 卵 牛乳 薄力粉 べーキングパウダー
具は玉ねぎやシメジや小松菜など冷蔵庫にあるものを
オリーブオイルで炒めたものを冷まして加えチーズをかけ
180度のオーブンで40分焼くだけです

隠し味はマヨネーズをほんの少し
ハムやツナ缶を入れればリッチなケーキです

ケーキといっても甘みが全くないので食事向き
前日に作って置き朝食やブランチに良く登場します

本日は友人宅にお茶に招かれたのでお持たせ用に
ちょっとリッチなcake salé
簡単なのに喜んでいただけるお助けお土産
大人のお楽しみケーキです

2015-05-21 00:24 in | Comments (4) #

2015年5月17日 (Sun)

幸せなぱん作りびと



。。。。 懐かしいと思いますので送ります 。。。。。
新潟の生徒さんからフルーツトマトが届きました

毎年 今頃の季節
完熟トマトと塩、胡椒、オリーブオイルだけで作ったシンプルなパスタを
ぱん屋のお客様やぱん教室の生徒さん ➕ ご家族&そのご友人達と
ワイワイ賑やかな持ち寄り会
その他全員必ず一品持ち寄りが決まり事
手作りお惣菜はじめ お肉やさんに揚げてもらったコロッケ
デパ地下のお漬物 飲み物持参
中にはご主人様が釣られた 「キス」をさばいて目の前で天婦羅に
キッチン工房 粉粉は共に笑ったり励ましあったり出来た場所でした

そんな皆さんが時折り幸せの宅急便を日高の地まで
想いを送って下さる温かなご縁
この一年は 楽しい事 悲しかった事 沢山のあったけれど
やっと此処に根を下ろして生きて行こうと思えるようになりました
戴いた温かなご縁を今度はわたしが次の何方かに手渡し出来るよう
ゆっくりと 刻を紡いで歩きます

躓いてもへこたれても幸せぱんの作り手になりたいという
夢の欠片を追い続けられる幸せ
この世で一番幸せなぱん作り人にしていただけたわたしです
2015-05-17 14:42 in | Comments (4) #

2015年5月13日 (Wed)

懐かしい道具たち



今は新潟の生徒さん達が使ってくれているミキサー
11年前 新潟から東京町田市の先生の所に通わせていただいていた頃
ぱん生地を手捏ねと器械の両方を生地に合わせて変えていました

現在はもっと大きな器械を使ってのぱん作り
それ以前は10年ほどイーストぱんの講師をやっていた時は
フードプロセッサーで捏ねていましたから
いかに良いお道具に助けてもらっていたかがよく分かります

師匠から何時も言われていた言葉
「腕が未熟だからこそ いい道具と いい食材に助けて貰いなさい 」

目の前の安価な物に 「取り敢えず 間に合わせに 」的な考えのわたしには
師匠の言葉は目からウロコでした
安物買いの銭失い 。。。。。。 笑うに笑えない修行時代のお粗末な話です

安い物にも高い物にも必ず訳がある
何かを成すにも手取り早くなんてことは絶対にない
基礎をしっかり学ぶ事
何時も心にしっかり刻んで基本に立ち帰る事の大切さ
ぱん生地を前に自分の愚かさが恥ずかしい
迷ったら師匠の言葉を思い出し
倖せぱんの作り手になれるよう 。。。。 修行はまだまだ続きます
2015-05-13 10:59 in | Comments (6) #

2015年5月11日 (Mon)

甘い卵焼き



甘い卵焼きが大好きです

子供の頃遠足で母が作ってくれたおっきな海苔巻き結びと卵焼き

友達のお結びは小さくて中にウインナーやそぼろが入って見るからに美味しそう

そのことを母に言ってこの次は小さいお結びとゆで卵を作ってと約束するのに

母はそんなことすっかり忘れてしまったように作ってくれるのは

おっきな梅干入りのお結びに甘くて厚い卵焼き

子供ながらにもしかしてわたしは貰われっ子で

継母に苛められているのかと本気で悩んだ時期もあったくらい

いま思えば笑い話のような子供の空想世界の話です

なぜ母がゆで卵ではなくて卵焼きと梅干入りのお結びを持たせたのか

極度の車酔いで何にも食べられないわたしを思って胃もたれしないようにと

母なりの考えがあってのことだったと大人になってやっと理解できました

親の心子知らずで駄々をこねてばかり 本当に手を焼かせた子供だった

甘い卵焼きは母とわたしの懐かしい味  母を亡くして気づく味

銅のたまご焼き器で焦がさないようにゆっくりゆっくり焼き

母の月命日に写真に供える甘い卵焼きです
2015-05-11 00:52 in | Comments (4) #

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