2015年11月29日 (Sun)

小さな決め事



前夜に仕込んだぱん生地が出来上がる4時間ほど前に

作業する部屋の窓を全開にしてお掃除開始

大切なのは埃を出来るだけ排除すること  空気清浄器もフル回転

作業2時間前には白い作業服に着替えて生地のご機嫌伺い

そして呟く小さな祈り 。。。。。 美味しいぱんになれますように

ぱん作りの際に着用するのは綿か麻の服

絶対にニットやナイロン類は着用しない

髪の毛はしっかり布巾で覆いかぶす事

糸くずがぱんに入らないように  ナイロン服で火傷をしないように

白い作業着であれば付着したごみもはっきりとわかる

これは修業時代に師匠から叩き込まれた作業の決まり事

コック服が綿の長袖と決まっているには訳があったのです

修業時代はコック服にコック帽 小さな私には大きすぎてベルトで抑えて

師匠にまとわりついて手さばきに見入ってました

食べ物を作るということは命を育むこと

手抜きをしたらその分だけ後悔として自分に返ってくる

ぱん生地が「もういいよ」とつややかになったころ

作り手の気持ちも真剣そのもの 失敗も成功も紙一重

そんな小さな決め事の粉粉ぱんです


ご近所さんから頂戴した無農薬野菜  瑞々しい畑からの贈り物

日高の地は地味ながら美味しい食べ物であふれている

この地に招かれた幸運に感謝をしながらの暮らしです
2015-11-29 23:43 in | Comments (6) #

2015年11月26日 (Thu)

ベーグル日和



所用で二週間の間に三回の東京往復 

時間にしたら電車で90分の道のり 

都会の喧騒から離れて一年以上 すっかり染まった田舎暮らし

新潟から5年間ぱん修業に通った新宿小田急線の人混みにも圧倒され

新中野の賑わいに早く日高に帰りたいと心底思った始末

同じ一杯のコーヒーも日高で飲むのと違って慌ただしい味と思うのは気のせい?

日高の「のんびり暮らし」にすっかり慣れ切ってもう都会には住めない気がする

お家大好き人間 朝から雨の一日はベーグル作り三昧 

ファーストフレッシュダージリンを濃い目に入れて仕込み水の代わりに

生地に茶葉とはちみつを少量練り込み 22度で12時間発酵

まーるく まーるく 成型して熱湯で茹で230度のオーブンで12分

弾力のあるもっちりベーグルの完成

お外ごはんも楽しいけれどやっぱりお家ごはんが一番美味しい

今夜もしとしと雨音が優しい日高の雨に癒される夜です
2015-11-26 00:24 in | Comments (6) #

2015年11月23日 (Mon)

本日のレッスン



川越から来てくださっている生徒さんたち24回目のレッスンはフランスパン

回を重ねていられるので手際もとてもスムーズ

クープ用カミソリで火通りを良くする為に入れる最後の仕上げクープ入れ(切り目)

綺麗で理想的な焼き上がりに歓声です

わたしの修業時代はクープ入れが最も苦手分野

どうしても最後の仕上げとなると緊張して構えていた気がする

苦手意識克服のために10年間に何千本のフランスパンを焼いてきたのか

思えば気が遠くなるような本数 

カミソリの刃が浅すぎても深すぎても綺麗なクープにはなってくれない

ちょう良い加減というのが一番難しい

本日のランチメニューは

根菜のバルサミコソース

お豆のミネストローネスープ

デザートは 紅玉の焼き林檎 マスカルポーネ添え

マリアージュフレールの紅茶 マルコポーロ

事前に用意した試食のぱんは

ヨーグルトイングリッシュマフィン 田舎パン フランスパン 

わいわい賑やかなレッスンでした


昨日のレッスンは新潟からの生徒さんと地元の生徒さん

皆さん顔見知りになられておしゃべりしながらのぱん作りです

新潟からのお土産は 新潟銘菓 いつも気を使っていただき恐縮しつつ

皆さんとご一緒にいただきました

日高の夕暮れはまるで特急電車のように早々とやってくる

家々の灯りと夕餉の匂いにつられてご近所の猫さんたちも

ペアーで仲良くお散歩中

ほっこりぬくぬく見ているだけで心和む夕暮れ時
2015-11-23 01:12 in | Comments (6) #

2015年11月19日 (Thu)

シンプルなリース



ご縁があって毎月ぱんをお送りしていた

  東京世田谷の花屋 花子さん から

一足早いクリスマスのブリザーブドフラワーリースが届きました

白い壁に映えるように出来るだけシンプルなリースをという注文に

潔いまでのシンプルさで応えていただきました

新潟の工房でも毎月季節に合わせたアレンジメントを送っていただいてましたが
 
埼玉に転居後もご縁続きで何かがあると花子さんちのお花

贈る花 飾る花 すべてが花子さんの目利きで選ばれてます

その上 生まれたときから粉粉ぱん大好きと云ってくださった

五歳のお嬢さんとわたしの誕生日が同じで

花子さんのお母様がわたしの書の大先輩だったことも

後から知れば本当にご縁がずっと繋がっていたことに驚きでした

ご縁がまたご縁で紡がれる そんな小さなご縁を大切にと思う毎日

毎週のぱん教室もお蔭さまで土曜のクラスは空席待ちに

それもこれも色んな方々とのご縁があったればこそ

新潟の生徒さんたちも遠路お声かけしあって埼玉まできてくださることもご縁

一個の粉粉ぱんが紡いでくれた大切なご縁

ゆっくりゆっくり丁寧に暮らすことが明日のご縁に繋がるものならば

川の流れに流されての旅もまたご縁に繋がっていくのでしょうか

真夜中のぱん捏ね器のシューシュー回転音に耳を澄ませながら

この地に招かれた幸運なご縁を噛みしめてます
2015-11-19 00:16 in | Comments (2) #

2015年11月16日 (Mon)

作り手の誇り



地元日高で放し飼いで育てられている卵を第一優先に

ぱん教室で使用する卵を何種類も探し回り

卵は季節によっても微妙に違いがある事を知る

粉粉ぱんの基本はお食事ぱんなので

バターや砂糖や卵を使用するぱんは限られている

それも粉100%に対して3〜5%のごく少量使用  

ぱん作り以外は時間があればいつも食材探し

生産者の方々から直接お話を伺えるのはとても勉強になり

作り手の顔が見えるものはとても安心素材

粉粉ぱんもそのように安心して食べていただけるように

大切に育てられた命をいただいて次の命を育む

責任の重さを忘れないぱん作り人でありたい

朝 産みたての卵を分けていただきに出かけ

掘ったばかりの里芋のお福分けにあずかり しばし里芋談義

のんびり ゆっくり 寒くなってきた日高の夜は

里芋のグラタンが恋しい季節です
2015-11-16 00:15 in | Comments (7) #

2015年11月11日 (Wed)

ばんのきもち


新潟のぱん屋時代のお客様から近況メールをいただきました

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今日 沼垂のポッポの天然酵母ぱん屋さんに行ってきました。
売れ切れでしたが、パン屋さんとキッチン工房 粉粉さんの話しになって 
店主さんが「あの伝説のパン屋さん」って話してましたよ

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一週間に一日 それもたった二時間しか営業しないちっちゃなぱん屋
15種類ほどのぱんを週替わりで作るぱんを変えて
仕込みからすべてのぱんが焼きあがるまで三日間
一人で細々150個ほどしか作れなかった零細企業のぱん屋
営業形態が伝説なのか 
それともなにかほかに失笑ありの伝説なのか
何はともあれ廃業して二年 
忘れないで噂をしていただけるだけでも嬉しいです

五年間店先に掲げた懐かしい新潟のぱん屋の看板
良く見ないとわからないほど小さな看板を頼りに
毎週来てくださった沢山のお客様方
こんな未熟者を支えてくださったみなさまありがとうございました。
日高の地でご縁を忘れないでいただいた温かなお気持ちを
次の何方かに必ずバトン出来るように頑張ります



母の介護をと大きな決断で埼玉に転居を決め
2013年12月28日 キッチン工房 粉粉 閉店の日に
お客様や生徒さんからいただいた寄せ書き
凹んだり 躓いたり 笑ったりした5年間のぱん屋の足跡
思い出すのは楽しかったことばかり

地方紙の新聞 ローカルラジオの取材にもお声をかけていただきながら
公の場に出ることがとてもできなくてお断りさせていただいた
どちらの方からも 「取材拒否ですか」と詰め寄られ途方にくれ
「恐れ多いので 取材辞退ということに」と発言して苦笑をかったこと
50%しかない実力の残りを足してくれた友人の皆さまのこと
思い出しては再び歩きだせる勇気をいただいてます

食べ物を作る人間は人の命を預かっているということ
どんな時でも温かな気持ち ぱんのきもち を忘れないで暮らしたい
優しいぱんの作り人 まだまだ道のりは遥か遠く遠くです
2015-11-11 22:29 in | Comments (4) #

2015年11月9日 (Mon)

今週の美味しいもの



新潟のぱん屋時代のお客様がヨモギたっぷりの笹団子を送ってくださいました

ちょうどぱん教室の真っ最中  ぱん作りもそっちのけでさっさと開箱 

笹の香りが部屋中に広がって美味しい話で盛り上がり

ベーグルを作る  田舎ぱんを作る

生徒さんそれぞれに違ったぱん作りに軌道修正

本日のランチメニューは

田舎ぱん 

ブルーチーズのグラタン 

牛蒡の豆乳ポタージュ

デザートはコーヒームース サワークリーム添え

焼きたてのぱんが温かいうちに試食しましょう 。。。。。のはずが

皆さんが手を伸ばしたのは笹団子

ここはなんのお教室なのかと笑う一幕

美味しいはみんなを笑顔にしてくれる魔法

新潟のS様 温かなお気持ちありがとうございました

独り占めしないで皆さんにお福分けさせていただきました


そしてそして素敵な贈り物はまだまだ続くで

スイス製の素敵な耐熱グローブは新潟の生徒さんからプレゼントです

「先生お元気ですか もうすっかり日高人ですね」と添えてくださったお手紙

新潟の工房で皆さんと過ごした沢山の時間 思い出をしてはうるうる

新潟 ⇒ 日高 はたった三時間 帰ろうと思えばいつでも帰れる距離

皆さんと過ごした時間は 大切な宝物時間でした

日高暮らし一年と八カ月  二度目の秋を迎えています

2015-11-09 00:33 in | Comments (4) #

2015年11月5日 (Thu)

珈琲日和



毎月新潟県柏崎市の フレッシュコーヒーNО1さん からコーヒー豆が届きます

地域全体が中越地震で被害を受けられて店の存続も危ぶまれたとき

大勢の方々と一緒に商店街を失くさないための活動に参加させていただき

ナンバーワンさんのコーヒー豆との出会いがありました

大変な被害に遭われたのにいつも前向きに頑張っておられたマスターに

励ますつもりがいつも励まされた

長年フェアトレード活動を続けてこられて

注文の電話をすると

「〇〇様 いつもありがとうございます」と大きな声が返ってくる

このおっきな声を聴くと元気を貰えるようで嬉しい

生豆を丁寧に焙煎 手を抜かない職人の仕事ぶりに心底惚れました

100g包装にして一キロ届く豆は冷凍庫で保存

毎日一杯ずつお気に入りのコーヒーミルで豆を挽いてコーヒータイム

陽だまりの中でほんの少しフェアトレード活動に

参加させていただいている気がする

今日の日高は肌寒いものの日中は穏やかな陽射しの中

ベンチに腰掛けてぬくぬくコーヒー日和

明日も良い日でありますように

2015-11-05 01:33 in | Comments (2) #

2015年11月2日 (Mon)

美味しい余りもの



新潟の三根山園農場の長津さんから沢山の柿を送っていただきました

思えば長津さんとはかなり古い友人関係

新潟でのぱん屋時代は公の場に出ることはほとんどなかったものの

一年に一度新潟の北方文化博物館で行われた 

「小春展」イベントにお声がけいただいき 

毎年 長津さんは塩結び 粉粉はお食事ぱんを携えてコラボを組んでました

200個ほどのぱんが一時間ほどで完売後

お教室の生徒さんと長津さんのお結び作りや販売を手伝って

どっちがどっちの人間やらわからないような関係

埼玉に転居してからも長津さんちのお米を食べられる幸せ

時折懐かしい故郷の産物を送ってくださったり

新作の粉粉ぱんをお送りしたりと

古い古い仲良しさんです


今日の粉粉ぱんは カスタードクリームぱん

地元日高の牛乳とオーガニックバニラビーンズを使って

水分を飛ばしながらゆっくり練り上げ生地にたっぷり包んで焼いた

大人のクリームぱん


残ったカスタードクリームは頑張った自分へのおやつ

フランスパンにたっぷりサンドして 。。。。。 幸せランチ
2015-11-02 00:01 in | Comments (6) #