2014年10月20日 (Mon)

小さなあしあと



焼いたぱんをオーブンから取り出すための耐熱&滑り止め付きグローブミトン
オーブンの熱で焦げ、ぼろぼろになっても捨てることが出来ない
新潟でぱん屋を開業した日に友人から贈られた最初のミトン
そしてぱん屋を閉じる日まで使っていた最後のミトン
左の二つは現在片腕になってくれている相棒ミトン
五年間に使い古し処分したミトンは数知れず
ただこの二束だけはわたしにとって別格扱い、一緒に引っ越してきました
一週間に一日 それもたった二時間しか営業しないぱん屋
ひとりですべてをこなすにはそれが精一杯のぱん作り
そんなぱん屋を支えてくれていたのはわたしの手の倍もあるグローブミトン
開業の時と閉店の時の記念すべきミトン 
迷った時に再び歩き出せる勇気をくれた宝物
なによりもなによりもぱんを作れることが本当に嬉しかった日々
躓いたり へこんだり 道に迷ったり ぱんと共に歩いて20年
やっとぱん作りというものが少しだけ見えてきたように思える
これからどこに向かって旅が続くのか分からないけれど
いつもこのグローブミトンが道案内 ぱん作りは終わりのない旅 
好きな道を歩ける倖せ噛みしめてガンバレ わたしです
2014-10-20 01:18 in | Comments (2) #

2014年10月17日 (Fri)

今日も一日無事日和


先日新潟から天然酵母レッスンに来てくださった生徒さんから

「粉粉ぱんの味が変わりましたね 以前より優しい味になった気がするんです」

とありがたいお言葉いただきました

新潟の暮らしから日高での暮らし、何もかもが一から手さぐり状態

引っ越して真っ先にぱん種の酵母起し どうなることかハラハラドキドキ

ホシノ丹沢天然酵母種 500グラムに対して1.5倍の自然水 750cc

それを恒温器で20度の温度を保ちつつ7日間ゆっくりゆっくり発酵させる

文字にすればたった2行の酵母起し作業

その間の温度 湿度 は微妙 恒温器の温度も上がったり下がったり

3個の温度計もてんでバラバラに数値 。。。。 そこはそれで作り手も超アバウト

7日間かかって出来上がった酵母はそのまま冷蔵庫でおやすみタイム2日間

やっと使える酵母の完成です

新潟と埼玉の酵母起しのやり方が別段変わったことは何もないはずなのに

確実に酵母の味が変わったことに気が付いたのはわたしだけではなかった

酵母の味に変化があったことに生徒さんは気が付いたのです さすがです

埼玉で起した酵母がとても元気で味もまろやか 風味もお酒の大吟醸なみ

時間がたってもへたりが無いのには驚く

今までの酵母が決して悪いのではなく

作り手の心の在り様が味に変化をもたらしたに相違ない

やはり心穏やかに暮らすことが何事にも必要なのだと改めて反省

先へ 先へとこころばかりがはやり 小さな変化を見逃していた

手を抜いたつもりはなくてもどこかで馴れというものに染まっていた

自分の未熟さと向かい合って改めて知るぱん作りの奥の深さ

1個の粉粉ぱんが教えてくれる心の在り様 初心に帰ろうです


沼津のhalさんから3か月待ちで藤原千鶴子さんのルームシューズが届きました

年に一度 頑張った自分に褒美のルームシューズもこれで4足目

先輩の3足もあちらこちら繕いながらもまだまだ現役ですが

1日も長く共に暮らすために1足づづに酷使も分担

小さな暮らしの小さな幸せ この一足の作り手に心から感謝です
2014-10-17 00:30 in | Comments (4) #

2014年10月13日 (Mon)

ありがとうをこころから


一日の始まりに家中の窓を全開にする

朝日が眩しいくらいに輝いてキッチン&居間は光の大洪水

その景色は本当に美しく光の中でしばし見とれてしまう

小さな家の陽だまり 倖せって多分そんな時間の中にいることなのかもしれない

そんな光の中で迎えた誕生日 生んでもらったことを感謝する日

新潟のぱん教室の生徒さんから おめでとう のプレゼント

朝からうるうる涙腺全開

最近目が疲れて 。。。。。 と愚痴をこぼしたのを覚えていてくれ

ハーブ入りのアイマスクは目を休めてくれますよとメッセージ

わざわざ有給休暇を取って誕生日のレッスンに駆けつけてくれた生徒さん

みなさん 本当に本当にありがとうございました。

いつ心穏やかな気持ちでいなければ倖せぱんは作れない

それを何時も心に刻み ありがとうの心をぱん生地に包んで

倖せぱんの作り手になれますように
2014-10-13 00:51 in | Comments (4) #

2014年10月9日 (Thu)

愛すべき小さいもの


キッチンで使う小さい物達が迷子にならないように

全部見えるように吊るして使ったら定位置に戻す

味噌漉しの代わりに持ち手付の急須用の茶こし 二杯分の味噌汁にはこれで充分

沢山の物が混在しないようにお玉もしゃもじも菜箸もゴムぺらも全部一個づづ

お鍋もメインは14㎝ 蒸し器もフライヤーも大きなザルも全部処分

5年前に炊飯器が壊れてからご飯は小さなストウブ鍋で炊くようになり

毎日の暮らしに大きな鍋や一見あれば便利そうなキッチン電化は必要なく

気がつけば普段使っているものは全部小さいものばかり

なんだか子供の頃のおままごとキッチンを思い出す

我が家の食事は一汁三菜 お肉の日 お魚の日 お豆の日 お野菜だけの日  

どの日もメインの三倍の温野菜を添え塩分控えめ 腹七分目

ここ日高はお野菜が新鮮且つ無人野菜販売所がいたるところにあるので

有機野菜 お豆 お豆腐 と特別に構えなくても自然に毎日の食卓は低カロリー

おやつもほとんどが簡単な自家製なので甘味も塩分も自由自在

心のびやかに道草していればストレスも溜まらない

毎日酵母さんと仲良く 日高暮らし7か月目です
2014-10-09 00:43 in | Comments (2) #

2014年10月6日 (Mon)

心の貧困


物質的に豊かになりすぎたわたしたちの暮らし

それと引き換えに失われつつある 質素倹約 という生き方

子供の頃から食べ物を粗末にするということは決してしてはならない

食卓に並べられた食べ物に対して好き嫌いなど言ってはならない

普段は優しい明治生まれの祖母はこと食べ物に関してだけは厳しかった

なのに祖母から譲り受けた糠床はダメにするし

冷蔵庫に入れたままの食品を期限切れにしてしまったり

そのたびに罪悪感に陥って猛反省 

祖母の生き方に少しでも近づきたいと思うのにまだまだ願うだけの日々

わたしたちが生きていくために肉や魚や野菜たちの命をいただいていること

新鮮なものをあまり手を加えすぎないで自然な形でいただくこと

改めてこの半年間 ナチュラルフードの勉強を通して学んだことは大きかった

いろんな壁にぶつかったり 曲がり角で道に迷ったり 

生きていくことはそんなに容易いことではないけれど

祖母の写真の前で何時も心だけは貧しくならないようにと叱られてる気がする

ぱん作りも毎日のごはん作りも心から楽しんでたとえ簡素な食事であっても

作り手に感謝の心を忘れないように 。。。 祖母の教えを思い出す

食べ物を作るということは人の命を預かるという事

丁寧に日々の暮らしを営んで迷ったら基本に立ち返ろう

ゆっくりゆっくり先を急がす暮らしていても

何時か何処かで何かのお役に立てる日が来たら

すっくと立ち上がって自分に出来ることを躊躇せずにやれる者になりたい

そんな夢の欠片を持ち続けて 。。。 ガンバレ わたし

2014-10-06 00:45 in | Comments (8) #

2014年10月2日 (Thu)

道草ばかり



午前中は集中してレシピ作りに専念するつもりが

秋空に見とれて 気持が ふわふわ ふわふわ 何処までも飛んでいきそうで

なぁんにも手つかずの仕事がたまる一方

やり始めると時間を忘れてもやっている割にはあーでもない こーでもないと

迷いが生じるとすぐに思考力が止まってしまう 。。。。困った性格は治りません  

裏のポッポ道と呼ばれている散歩道は色とりどりの花でいっぱいだし

近くの畑ではコスモスが咲き乱れているし 

マロンの里と呼ばれている日高のあちらこちらは見事な栗がたわわに実っているし

なんだかんだと言い訳をしつつ机の仕事をほったらかして市内を探索

これではいけない 明日から頑張ろう 。。。。 そんな反省を繰り返す毎日

そんなわたしがひとたびぱん生地に向かってしまうと家事もなにも心ここに非ず

4日前に岩手の製粉会社から製粉したての25キロの粉が出発しているのに届かない

粉が行方不明 ハラハラ ドキドキ そんな心配をよそに

運送会社のドライバーさん 日にち指定がなかったので 。。。。と涼しい顔

これってありですか ? 腐るものでもないけれど言い訳が気に入らない

新潟では注文したら翌日か翌々日には必ず新鮮な粉が届いていたのに

埼玉では遅配達なんて当たり前なのか3社ある運送会社全部がこんな調子

のんびりが県民性と言ってしまえばそれまでと怒っている自分がばかばかしくなる

郷に入れば郷に従え 。。。。 ますますのんびりに拍車がかかる日高暮らし

今夜も ぱん生地さんも ゆっくりゆっくり 発酵中  

遠くで虫の声が聞こえる秋の夜です
2014-10-02 00:55 in | Comments (6) #

2014年9月29日 (Mon)

小さな決め事


暮らしの中のきまりごと

何事もきっちりきっちりは苦手だから自分に緩い決まり事を幾つか作る

家仕事  ぱん作り  本屋さん通い Caféでお茶  

一つ一つの暮らしのリズムはその日その日で違っても

一日の終わりにその日出来なかったことが多すぎでも緩い自分の中の締切時間

沢山の事を抱えても気ばかり焦って結局は振り出しに戻る

ゆっくり歩くのと忙しなく歩くのとでは散歩の景色がまるで違う

明日出来ることは明日すればいい 。。。。 そんな甘さも時には必要不可欠

暫し休んでまた歩き出す 季節の替わり目の風が心に優しく感じられる日高暮らし

青とも蒼とも違って見える 秋色の空 

引越し騒ぎはとってもとっても大変だったけれど過ぎてみれば懐かしい

長閑な景色にカーテンまで秋色に染まる夕暮れ時

酵母さんのご機嫌がとてもいいのでわたしもご機嫌です

広島の旅人さんから

何時も美味しい粉粉ぱんをありがとう のメッセージと梨が届きました

粉粉ぱんが紡いでくれる小さなご縁に感謝して

明日もいい日でありますように 

2014-09-29 00:12 in | Comments (4) #

2014年9月25日 (Thu)

秋支度



すっかり秋色に染まった日高路

夏の喧騒も過ぎ去ってそろそろ緩んだ気持ちを引き締めて心も秋支度

生徒さんたちに背中を押されてお料理教室の準備に取り掛かる

地元の食材を使って  コース料理のレシピ作り

日高野菜  サイボクポーク  地鶏  お豆腐  お豆  を使って

心と身体に優しいお料理のご提案 + 天然酵母ぱん

華やかではないけれどしみじみ美味しい家庭料理が忙しい毎日を支えてくれる

4月から始めたナチュラルフードコーディネーターの講座も来月には卒業見込み

少しだけ生まれた生活時間の中であれやこれやと詰め込みすぎないで

ゆっくり のんびり オーガニックのお勉強を基礎からやり直し

粉粉ぱんもゆっくり わたし時間もゆっくり  どちらもただいま成長中です
2014-09-25 00:02 in | Comments (6) #

2014年9月22日 (Mon)

季節のごあいさつぱん



すっかり秋色に染まった日高から季節のごあいさつのぱんをお送りしたくて

受け取ってくれる友人の顔を思い浮かべながら120個のぱんの発送準備

作るぱんの数だけ食べてくださる方々に幸せをお届けしたくて

仕込から焼きあがるまで三日間 心静かな気持ちでぱん生地と向かい合う

肩に力を入れて出来ないことを望むより

目の前にある小さな幸せを感じながら暮らす時間

揺るぎない想いさえ失わなければ道に迷うこともない

ぱん作りはいつもスタートラインに立ち 謙虚に丁寧に誠実にと自分に戒める

ぱん生地は正直な自分の心の鏡 慢心な気持ちでいると恥ずかしくなる

どれだけ沢山のぱんを作ってみても同じものは出来ない

だからこそ日々穏やかな気持ちで暮らすことの意味を問われる

作り手の主張を押し付けるのではなく食べてくださる方の気持ちに総てををゆだねて 

娘をお嫁に出すような気持ちで粉粉ぱんを送り出す

酵母の神様  粉の神様  オーブンの神様 に手を合わせ明日もいい日でありますように

2014-09-22 00:24 in | Comments (2) #

2014年9月18日 (Thu)

ぬくもり



新潟から日高に旅立つ前日に生徒さんからいただいたレース作品

ひと針 ひと針 細かい作業の手仕事 

一体どのくらいの時間をかけて作ってくださったのか想像もつかないくらいの緻密さ

〇〇刺繍なんです 。。。。 と伺ったのに名前をすっかり忘れてしまいましが

ときどき出してきては丁寧な針さばきに見入ってしまいます

「先生に差し上げたくて出発ギリギリでやっと間に合いました」と届けてくださった

そのお気持ちが温かく伝わってくる作品に一歩踏み出す勇気をいただきました

見知らぬ土地で心が折れそうになったとき無言の励ましに慰められ

もう後戻りは出来ないのだと小さな覚悟が持てました

人の心を包んでくれるぬくもりの大切さ

粉粉ぱんも食べてくださるどなたかの心にぬくもりを感じていただけるように

丁寧に暮らすことの大切さを学んだ気がします


今月の東京世田谷の花屋 花子さんのアレンジフラワーです

花子さんの四歳のお嬢さんとわたしの誕生日が同じで

粉粉ぱんをお送りすると一生懸命美味しいとほおばるんですとメールをいただきました

粉粉ぱんが紡いでくれる小さなご縁 幸せの輪が広がりますように。
2014-09-18 01:53 in | Comments (2) #

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